相続・遺言

家族信託と後見制度

最近、「家族信託」について関心をお持ちの方が増えていると実感しています。
そのため、ここ数か月余り、オンライン講義や書籍を読み、私自身もどっぷりとハマっています。

この「家族信託」という制度、とても良い制度だな、と思う反面
このあたりの手続きはグレーだな、と感じたり。
2007年9月末にスタートした現在の信託法は、まだ新しい制度です。
今後、この制度を利用される方が増加するとともに、グレーな部分の整備も進むと思われます。

ただ、ご相談いただく中で「家族信託」がベスト!とお考えの方もおられ
少し戸惑います。
たしかに、家族信託制度は、ある種の財産管理には優れていても
すべての財産管理をオールマイティに網羅する制度ではありません。

財産管理を希望なさる方は、すくなくとも健康状態に不安があったあり
認知症を発症することを不安に思っていらっしゃる方が多く、
そうなると、財産管理だけではなく、身の周りのケアについても同時に考える必要があります。

身の回りのケア(身上監護)は後見制度の利用も視野に入れたり、
さらに、遺言内容の検討も必要な場合がございます。
本当に、このご家族にとって一番良い方法はどの組み合わせなのか、とても考えます。
大きな財産管理となると税理士の先生との連携も必要です。

また、費用面でも、専門職等に家族信託や後見のハイブリットをお願いすると
それなりの費用もかかります。今、それだけ費用をかける必要があるのか…というところも悩ましいです。
費用対効果については、最終的にはご家族で判断いただくことですが
ご家族の望む将来について、こちら側にも幅広く提案できるだけの正確な知識が求められています。

最新の情報にもしっかり耳を傾け、日々研鑽に励みたいと思います。